The Next Of O.M.O
第一話
かなめアマルガム掌握篇

前回(存在しない)のあらすじ
 かなめはレナードにアマルガムのどっかの基地に連れて行かれました。
 宗介はかなめを探してるうち東北の温泉郷に着きました。
 以上。
 その他いろいろなことは「つづくオン・マイ・オウン」を読むべし。

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 かなめはレナードにアマルガムのどっかの基地に連れて行かれた(コピペじゃない。断じてコピペじゃない。)。

 かなめはずっと硬い表情のままレナードの後をついて行っていた。
そのレナードは微笑みをその顔に浮かべ続けていた。
基地の中を歩いている間二体のアラストルもぴったり2人にくっ付いていた。
基地の中で怪我の治療もされた。痛みは大分ひいている。

 そのうちある建物に入り、エレベーターで昇っていく。
建物の外はなんとも無骨な感じだったが、内部は綺麗である。
とても悪徳軍団(なんじゃそらー)の建物とは思えないほど綺麗である。
 エレベーターはが停まった。また2人と2体は無言で歩き出す。
レナードは途中何回かかなめに話しかけたが、かなめはいつも無言だったためどうやらあきらめたらしい。
 暫く廊下を行くとその行き止まりにドアがあった。
一応周りに合わせて装飾も少しはしているが、見ただけでその厚さと頑丈さが手に取るように分かる。
 2人は部屋に入っていった。

「…!?」

かなめは驚いた。部屋の内装が綺麗過ぎる。廊下なども綺麗だったが、この部屋はその数段上を行く。
しかも広い。ホテルのスイートルームとして使えそうである。ご丁寧にどこの誰が描いたのか分からない絵も飾ってある。
 かなめの様子を見て楽しそうにレナードは言う。

「驚いた? 君のために無理して作ってもらったからね。
言っただろ?丁重にお迎えするって。そうそう、あの絵はボクが描いてね。」

お前が描いたのかぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!

 だがかなめがよく部屋を見渡してみると窓が無い。そう、やはり捕らえられた者であることは変わらないのだ。
そう思うとまた気が滅入ってきた。かなめは妙に大きいベッドに腰掛ける。
いや、このベッド目茶苦茶でかい。枕は1つしかないが、1人分にしては大きすぎる。
絶対もう1つぐらい枕がどこかに隠されていて…
 また暗い表情になったかなめを見てレナードは

「まあ、シャワーは浴びれないだろうけど、体を拭いておくぐらいしたほうがいい。
服もクロゼットに入っているから。それじゃ、また用事があるときに呼びに来るよ。」

そう言ってかなめに背を向け部屋を出て行こうとした。
 そのときかなめは見えた。レナードが背を向けている。隙だらけであった。
いや、隙の塊といってもよかった。このときばかりはレナードも油断していたようだ。
だがそれも分かる。アラストルが2体いて、相手はかなめ、女1人である。
 かなめは自然とからだが動いた。動かしたのは級友への想いか、それとも宗介への――
 部屋の中に音が響いた。乾いた音が。

 スパンッ!

「!?」

不意を突かれたレナードは前のめりに倒れていく。だが、何とか立ち直る。
そしてかなめを狙って動き出そうとしたアラストル達を止めてから振り返る。
 かなめの手にあったのは見たことの無い紙を折りたたんだようなモノ。
レナードはそれをみたことが無かった。それとともに不思議に思うこともあった。
 どういうことだ? 連れて来る時に身体検査は行った… そして何も出てこなかった。
もちろん今だって武器を持っているはずがない。しかし、実際に彼女は持っている。
一体どこから出した? どこにその武器を持っていた?

「か、カナメ? どうし…!!」 スパンッ!

レナードの言葉をさえぎったのは彼女のハリセンだった。
顔面にその一撃をモロに食らった彼は、ただ、崩れていくだけだった。
それと同時に2体のアラストルもまた動き出した。しかし、かなめは瞬間的に跳躍すると

 スパン、スパンッ!

2体の動きは停まった。完全に。そして、爆発することも無かった。
 これはこの紙という素材に理由がある。
この軟らかく、しかし衝撃の強い武器のせいである。強い衝撃で機能は停止する。
しかし素材が軟らかいので「壊れる」ということがないのである。
なので爆破装置が起動することは無い。むしろその爆破装置の機能すら停止するのである。

 かなめは一瞬立ち尽くした。どうした?自分はどうした?と。
だが、レナードが降りてこないのを心配したのか、階段からアマルガムの隊員が登ってきた。
かなめはまた動き出した。ハリセンを構えて走り出した。

 隊員はかなめを殺すな。と絶対命令を受けている。だからうかつに発砲できない。
素手で押さえ込むしかない。だが、今のかなめは素手でかなうような相手ではなかった。
かなめが電光石火で駆け出したとたん、そこに来た隊員(2人)は悲鳴を上げて打ちのめされた。
そして崩れ落ちる。かなめは階段を降りだした。どうやらこの建物はそんなに大きくなく、あまり人数はいなかったようだ。
 
悲鳴を聞いて登ってきたのか、階段の下にはアマルガムの隊員が登ってきていた。
だが、ハリセンを振るう前に敵は一時的に動きを封じられた。だって階段の上から跳んできたんだもん。
階段の上から。制服で。つーかスカートで。もう動けません。・・・そして彼らはハリセンの餌食になりました。
 かなめは階段を駆け下り一階についた。そして外に出る。…と、そこにはすでにアマルガムの隊員が集まってきていた。

 そのとき、基地内部のほかの場所では、アマルガムの隊員がメリダ島の情報を整理していた。

「ん?『1つの部屋には日本のアニメのグッズが多数存在。
また、他の複数の部屋では制服を着た銀髪の少女(どうやらそこの司令官らしい)の写真を多く発見。
これは、将校用と見られる部屋からも見つかった。』…?

 俺たちはこんな奴らに苦戦していたのか?」
確かに女の写真を部屋に貼っているのはいるが、コレはなんなんだ。

 と、そのとき。サイレンが鳴った。放送も入る。
≪C棟にてミズ・チドリが逃走。総員C棟を取り囲むように… 繰り返す…≫

「ん?コードネームがあったはずだが…」

だが、今の状況はそんなことを言っている場合では無かった。


 かなめがそのC棟の入口で、囲まれてるのを見て立ち尽くしていると、
後ろから声をかけてくるものがいた。レナードである。

「驚いた? 僕が呼んだんだよ。でも僕以外の者は全て立ち上がれそうも無かったけどね。
アラストルも含めて。全く君はすご…」 スパンッ!

彼は本日三度目の不幸を味わった。

「さあ、あんたたち!こんな風になりたくなかったら早く私をここの本部にでも司令室にでも連れて行きなさい!早く!」

かなめはまくし立てる。しかしこんなので引き下がったらアマルガムの名が廃る。

「黙れ! 早くその武器を捨てて投降しろ! さもないと撃つぞ!?」
「何それ? おどしてるつもり? こっちにはこいつがいんのよ?」

かなめはまったく屈するつもりはないようだった。
片手でレナードを持ち上げながら言うと、彼をハリセンではたきはじめた。(彼はつくづく不幸である)

「さあ、こいつみたいになりたくなければ早くしなさい。」

かなめは静かな声で、しかし相手を脅すには十分な怒気を含んだ声で言った。だが、アマルガムだって負けていられない。

「と、取り囲め!ヤツを取り囲むんだ!」

誰か偉い人(よくわかんない)が言うと、あっと言う間にかなめの周りがアマルガムの隊員で囲まれた。そして

「よし! ヤツを捕らえろ!」

その誰か偉い人(よくわからない)がまた言うと、一気にアマルガムの隊員がかなめに押し寄せた。
誰か偉い人(よくわからない)は絶対にかなめを捕らえたと思った。が、それは一瞬にして起きた。
アマルガムの隊員が輪になって取り囲んだ中心点からどんどんはじきとんで行くのだ
(その中にはレナードの姿もあったが、みんなあまり気にしなかった)。

彼らだってしっかり訓練を受けた者たちである。だがそれがどんどん空へ吹き飛んでいく。
そしてかなめを取り囲んでいた輪は小さくなっていき…、遂には誰もいなくなっていた。

 動けなくなった男たち(死んではいない。多分…)の中でハリセンを持って誇らしげに立っているかなめは言う。

「さあ、早く案内しなさい。司令室に。」

たった1人残ったその誰か偉い人(よく分からない)はもう頷くしかなかった。

 その後、その基地ではかなめに逆らおうとする者もいるにはいたが、
ハリセンで全員粛清された。そしてかなめは邪魔者がいなくなったこの基地の実権を握るのである。

 また、他の基地も制圧していった。「死にたくない」という気持ちと「またあんな目に合いたくない」という気持ちに
はさまれたその基地の隊員たちは必死に働いてくれた。制圧の最後にはかなめ自らそこの司令官らをハリセンで倒した。

 かなめがこれを続けていくと、アマルガムのほとんどがかなめの物、かなめの思うがままになった。
そして根本から揺らぎ始めたアマルガムはすべてかなめの手中へと収まったのである。




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次回「宗介東北温泉人情篇」に続く。

69999 (seast) 2004/10/31






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