すごうでスパイふたりぐみ 067 最終回



すごうでスパイそしきの本部にて


宗介は、ウルズ6の後ろ襟を引きずって本部に現れたのだった。

7「・・・ということでした。テッサ博士、こいつを殺してください」
6「すいませんでした」

スーツもぼろぼろにくたびれ、まさしくボコボコの状態になったクルツ。
魅力的なはずのその碧眼には、まるで生気が見受けられない。

「わかりました。ボス、彼を連行しましょう」
「了解しました」

マデューカスは眼鏡をきらりと光らせ、ずるずるとウルズ6を連行していった。

6「またかよ…」



***


さらにボコボコになったウルズ6が、愚痴を漏らす。


6「もううんざりだぜ。いっつも俺が殴られてばっかり。
 そろそろ067やめたくなってきたぜ」
7「待て、やめないでくれ.。クルツ」
6「お前…まだ、俺にそんなことを言ってくれるのか…?」

ボコボコのクルツは、宗介をまっすぐ見つめた。
宗介はすがすがしく視線を受け止めて、

7「ああ。お前がやめると、『007』になってしまい著作権の問題が生じるそうだ。
 それは困るとテッサ博士が言ってたぞ。俺は構わないのだが」
6「……」
7「なんなら俺がやめてやろうか?」


その夜、ボコボコのウルズ6はひそかに枕を濡らしたのだった。

6「ちくしょう。俺なんて俺なんて…」



***

数日後――

7「おはよう、千鳥」
「おはよ。古典96点だったって?すごいじゃない」
7「そうか」
「…あれ、まだスーツ着てるの?」
7「新しい任務が入ったのでな。君の護衛も、続ける」
「クルツくんは?」

宗介は、手元のGPS機器に目をやった。

7「ここから10メートルほど北の校門の木の中だ」



『すごうでスパイふたりぐみは我々の組織にとって欠かせないものです。
あなたも、もちろんウルズ6も。
そこで、予定を変更してあなたには大事なその戦力を存分に生かすため、
彼の見張りという任務を与えます』




6「ぐしゅっ。ちくしょう」

木の中のクルツは、くしゃみをひとつかました。




すごうでスパイふたりぐみ・067シリーズ
おわり


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