すごうでスパイふたりぐみ 067 第十六回 最終章X



放課後の体育館。
窓からはぼんやりと西日が差し込んでいる。
どすどすと騒々しい音をたて、宗介はバスケットボールと
古典単語練習長を手にウルズ6のもとに滑り込んだ。

7「ぜぇぜぇ。こなしたぞ」
6「よし!そのまま校庭10周!その間に平家物語前文を暗記だ!」
7「了解」
6「返事が違う!」
7「えい」
6「よし。では行けっ」
7「いとおかし」

今度は古典教科書を手に、ウルズ7は校庭へと疾走していった。

「…何してんの?」

どんよりとした目で、かなめは尋ねた。

6「見てわかるだろ」
「ごめん、全然わかんない」
6「アイツはふつうに勉強しても全くダメだ。あいつにピッタリの
訓練をしながら古典勉強するのが一番ってことだ」
「……。なんでスーツ着てるの?」
6「わかるだろ?おれたちすごうでスパイだぜ」
「はあ、そうなの」

なんともだるそうな様子で、かなめはふらふらと体育館を去っていった。

6「…そう、すごうでスパイの俺たちにとって、潜入作戦なんて朝飯前よ。むっふっふっふっふ」

クルツは怪しげにほくそえんだ。



――翌日。

6「おっほん、今日から臨時で古典教師をすることになりましたクルツ・ウェーバーでっす」

かなめは、古語例解辞典を激しく投げつけた。

「バカーーー!!!」
6「ごふ」
7「をこ」



すごうでスパイ067最終章
次回につづく


※えい…はい(返事)
※いとおかし…しみじみを情緒深いことだなあ
※をこ…バカ


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